勤務地である「東急日吉駅ビル」は、電気、空調、給排水、ボイラーなど、様々な設備が稼動している。保木氏は、施設の生命線となるこれらの設備の保守管理を担当し、365日24時間体制(交代制)で施設や利用者の安全を守っている。
設備巡回点検では、施設内各所にある電気室やボイラー室、空調機械室などを巡回し、設備の運転状況や不具合がないか確認を行う。その際に保木氏は、数値の確認を行うだけではなく、「運転音に異常はないか」、「焦げた臭いがしないか」、「変色していないか」、「異常な温度、振動はないか」、また飲料水の「味はおかしくないか」など自らの五感を働かせることにより、設備の状況を判断している。そうすることで、設備の異変にいち早く気づき、対策を講じることができるため、機器の故障や重大な事故を防ぐことができる。このような技術的な勘は、マニュアルや数値を読むだけでは身に付かないものであり、これまでの経験の積み重ねで培ってきたものである。